― 契 り ―

「ずっと傍にいて」

りんは言う

「ずっと…離れないでいて」

後ろから
りんの腕がそっと私を包み込む

か細く、華奢なりんの腕
しかし何者よりも温かく

その声は少女のままなのに
吐息は微かに熱を持つように

「…今頃、何を」

何を不安に思う
妖と人のことか
それとも、生と死か



「りん」



今宵もその名を呼び、小さな身体を抱く
おまえの裡まで私を刻み込むように
深く契りを結べば
不安は無くなるか

おまえも―

―私も―



2008.2.13 @Richomaru